The Winery Dogsライブ<2013/7/16>大阪 松下IMPホール

16日は日帰りで大阪へ行って来ました。


大好きな3人のバカテクミュージシャンによるトリオ編成の新しいパワーロックバンド「The Winery Dogs」による大阪公演を観に♪

The Winery Dogsライブ:大阪 松下IMPホール


数カ月前に発売されたアルバムも完成度高く素晴らしいですが、ライブでの演奏パフォーマンスもさすがです。

ここ数年では一番良かったライブでした。
アルバムCD買う価値はきっとあると思います(ジャンル付けを表現するとすれば「パワフルなソウルフルロック!」かな!?)

ビリー・シーン(MR.BIG)、マイク・ポートノイ(元ドリーム・シアター)、リッチー・コッツェン(元ポイズン、MR.BIG)によるパワー・トリオ“ザ・ワイナリー・ドッグス”のデビュー・アルバム。出来の良い楽曲、気合いの入ったヴォーカル、最高峰の演奏、どれをとってもデビュー盤にしてスーパースター・クラスの内容。

メンバーはこの3人。

◎ベース:Billy Sheehan(ビリー・シーン)
(過去にタラス、トニー・マカパイン、デイブ・リー・ロスバンド、MR.BIG等HR/HM系バンド多数)

◎ドラム:Mike Portnoy(マイク・ポートノイ)
(プログレ・メタルバンドDream Theaterの前ドラマー)

◎ギター&ボーカル:Richie Kotzen(リッチー・コッツェン)
(大半がソロで過去にPOISON、Vertu、MR.BIG等HR系~ジャズヒュージョン系バンドにも在籍)

今回の大阪公演がワールドツアーの皮切り!

松下IMPホールは初めてでしたが、小箱ホールって感じでしょうか。
会場は満席で取れた席は前から10列目(実際は1列目の前に3列あったので最前列からは13列目)で右寄りの中央。
Richieのギター・アンプのほぼ正面という満足な位置でした。

ステージに準備されてた機材は殆どPV映像に写ってるのと同じ感じでとてもシンプル。
ビリーのはいつもの感じですが、マイクのドラムセットはDream Theater時代と比べるとおもちゃ(?)みたく感じる必要最小限。
そしてリッチーのアンプはFenderのアンプが3台(うち一つはベース用みたいな)。密かにCORNFORDのシグニチャーアンプを期待しましたが外れた...ピック奏法をやめてフィンガー奏法に変えたのが原因なんだろうな~と勝手な推測。

後で調べたどこかのインタビュー記事によると、今はFenderの「Vibro-King」と「Vibrolux」を行ったり来たりしていて、求めるトーンによって「Bassman」も使ってるみたい。
足元はJIM DUNLOPのCRYBABY WAHと、たぶんアンプのセレクタースイッチボードのみ。右端にはピアノが置いてあって「Regret」への期待が高まる。

ライブの開始はアルバム1曲めの「Elevate」

最初からドカスカブリブリグイグイ来るんですが...ビートに乗ってこっちの体も動くんですが...リズムが!?

特にマイクのドラムのリズムキープがルーズというか適当というか...いやリズムにはとても乗れるんですがね。

リッチーは元々ギターも歌もタメのある(というかネチっこい)演奏が特徴で、そこがまた良い味なんですが、ビリーやマイクにはこれまで在籍してきたバンドでリズム感がルーズという印象が皆無の印象だったので最初はエッ!?と思いました。
が、すぐ慣れました。 たぶんワザとそうしてる、というかリズムをキープすることよりも、その場の遊び感覚とかノリみたいなのを重視してたんでしょう、きっと。あれがスウィングとかグルーブといわれてるやつなんででしょうか??

これまたインタビュー記事ですが、「Winary Dogs」の名前の由来についてリッチーがこう答えてました。

「ワイナリー・ドッグズはワイン醸造所を守る犬なんだ。他の動物を遠ざける番犬だね。僕達は本物の音楽を守るんだ。サンプリングなし、オートチューンなしの本物をね。」
そしてこのバンド名には「僕にとっては、'60年代後半から'70年代前半の、自分がインスパイアされたロックバンドみたいな響きがあるんだ。あの頃に出てきて今も活動を続けているバンド・・・みたいなイメージが浮かんだ」とのイメージが。

きっとその辺が鍵なんでしょう。
とはいっても、決して「音」自体は30年以上前の古臭い音という訳ではなく、パワフルでテクニカルで、はたまたソウルフルでブルージーでちょこっとジャズ臭有りで...と、「3人だけのバンド」としてはコレ以上ない程のクオリティでした。

PAからの音量は7割方ドラムとベースで占められグルグル回ってました。

ギターの音は、歌ってない時のリフやギターソロの音はよくきこえた方だと思いますが、歌ってる時のギターの音はあまり聴こえない、というより鳴らしてないようにも感じたくらい聴こえなかったです。

歌声はまずまず聴こえました。
そう、今回ピカイチに嬉しかったのは、シンガーとしてのリッチーの歌声を堪能できたことでした。
といっても、ギターソロはバリバリに弾いてくれてたので(ピック無しでよくもまああれだけ高速で流暢なフレズを延々やれるなと関心)、ギタープレイには十二分に満足させてもらった上で、歌までCDクオリティーに近いものを聴かせて貰えてまさしく「一口で二度美味しい」感一杯でした。

リッチーはソロキャリアが長く、ソロではずっとこのバンド同様トリオ編成のバンドでギターとヴォーカル両方(レコーディングでは全楽器)を演奏してきた人なので、彼にとっては形態的にはソロでのライブ活動とあまり違わないのだと思います。
が、大きな違いは一緒にやっているミュージシャンがビリーとマイクだということなんだと僕は感じました。

マイクやビリーの音がどうとか色々人によって好みは違うと思うけど、僕はこの3人の組み合わせから出てくるものがとっても好みです。

ソロでのリッチーは2枚程のアルバムを除いて、作詞作曲から演奏、レコーディングまで基本全て一人でこなし、ライブの時はドラマーとベースプレイヤーを雇って演奏指示を与え(たぶん)、大元がギタープレイヤーである自分は、ギター演奏をすることが主で、そこを出来るだけ手を抜かずにボーカルも主として歌おう!と努力してきた人なんだと思うんですよね(どちらもハイレベルで)。

で、結果、(YouTube等の演奏映像を見ると)キーを落として歌うとか、所々歌うのをやめるとか、どっちかというと歌う方がおろそか気味になり、場合によってはそれがギタープレイにも悪影響が出てたりするように感じてました。

ソロでの名盤「Mother Head's Family Reunion」のタイトル曲なんかも、サビの一番美味しい歌メロをフェイクとはいえないようなキーの落とし方て歌われると、やっぱり「ガクッ」となります(よね)。

いくらギタープレイが素晴らしくても、やっぱりボーカルソングでボーカルの出来が今一だとライブ全体の満足感は下がるので、ぶっちゃけ歌なしのインスト曲として演奏してくれた方が満足感が大きい!みたいになる。

上が「Mother Head's Family Reunion」のPV映像で下がLIVE映像

で、今回その感じが殆どなく(何箇所かあったのはご愛嬌レベル)、少なくとも美味しい歌メロパートでガックリというのは無かったように思います。

ワールドツアーの初日ということでの緊張からなのか、はたまたメンバーからのプレッシャーなのか、元々シャイだからなのか分かりませんが、歌ってる時の緊張感が目立った割りにはキッチリ歌いあげてくれてました。いい意味でのアレンジも加えたりしながら。

リッチーがライブであのレベルの歌を聴かせてくれるとなると、もうこれは感動モノです。シンガーとしてもSammy HagarやDavid Coverdale、Michael Bolton達と肩を並べたといっても過言では無いはず!?とかいいたくなります。

歌の直後のギター・ソロになると、一転緊張感から開放されて縦横無尽に弾いてました。あれを見ると、あんなに難しそう演奏しててもギターだけを弾いてる時の方がラクなんだな~とか思ったり。
ギタリストとしては巨匠Allan HoldsworthにEric Crapton、Van Halen、Jeff Beckを合わせたようなギタープレイなんですが既に熟達してます。

20130718231602.jpgちなみに使ってたsolidギターは、Feder Japan製の彼のシグニチャーモデル
TELECASTER「TLR-RK」サンバーストの1本のみ。

一度だけアコギに持ち替えただけで、それ以外はこの1本で全て演奏してた。

あのギターが一番カッコイイ!
(自分でも2本も持ってたりして)

ところで、今回リッチーのシンガーとしての成功の原因を勝手に想像してみました。
やっぱりビリーとマイクの存在が大きいように思います。 バラード系は別ですが、歌の間になり続けている強力で音数の多めなドラム。そしてドラムにリンクしてバカデカイ音でブリバリ唸ってたベース。
実際やっぱりスゴイです、ビリー・シーン。
一人でベース弾いてるのに、2人分のベースの音とギターサウンドみたいなのも一緒に鳴らしてるような...
歌ってる間は、正直ギターのコード音みたいなのは有っても無くてもあまり違わないみたいな感じで、正直ベースとドラムだけで音圧も奥行きも音数ももう十分..みたいな。

リッチーも歌ってる間は無理にギターの音を鳴らそうとはしてないようにみえて、歌うことに集中できてラクなんだろうな~って感じでした。

かのBBキングが言ったといわれる名言(?)

「歌うなら弾くな、弾くなら歌うな」

を思い出しました。

意図してのものなのか、結果的にそうなったのか、完全に「歌うときは無理には弾かない」みたいな割り切りが感じられて、そこがポイントのような気がしました。
(リッチー程の人でも弾きながら歌うことが難しいんだ!という事実(?)がわかって逆にホッとした)

今回のベースの音については批判的なのが多そうですが、僕はトータル的には良かったと思います(確かに何度か「そこでその音は要らんヤロ!的な不快音もあったけど...)。

その他、 ドラム・ソロタイムもベース・ソロタイムも設けられていたのに、ギター・ソロタイムが無かったのには少なからず驚いた。

リッチーのソロタイムというのはあったんだけど、その時には一人でアコースティックギターを鳴らしながらPoison在籍時の彼の曲「Stand」を歌ってた(またこれが惚れ惚れする完成度だった)!
その後ギターをテレキャスターに持ち替えていよいよギターソロタイムか?と思う間も無く、彼のソロの曲のイントロを弾きだすとともにまた歌い始め、ドラムとベースの音もかぶってきてバンド演奏に戻っちゃった、と思ったら途中でいきなりMR.BIGの時の「Shine」になって、サビの部分で会場は大合唱!と、一番の大盛り上がりでした。

その出来事で、リッチー自身が(メンバーも?)シンガーとしての彼を今までになく重要視し、バンドはギター以上にシンガーとしての彼を前面にうち出す覚悟なんだな~と感じました。
そして成功した!と思いたい。

欲をいうなら、もう少しバックコーラスが分厚くなったいいのに、と思いました。
バックコーラスの音量をもっと上げて欲しかったのもあるけど、特に上のキーでのコーラスが欲しい!って思った。
Glenn HugheやMichael Anthonyとまではいかなくても、QueenやExtreme的なコーラスが入ったらシビれるのにって何度か感じました。

そうそうマイクが回るマイクスタンドを扱ってる様子が笑えた。
ドラムセットに設置されてたくるくる回るマイクスタンドを歌うたびに顔の前に持ってきたり後ろへどけたりしてたんだけど、何度か1周回って顔の前に戻ってきたりで... アレ、もう少し工夫すればもっと使いやすくなるだろうに...笑いの種かもしれないけど。

などと色々楽しんだりしているうちにアンコールのラスト「Regret」ではリッチーの前半のピアノ弾き語りと後半のギターソロと歌。

バラード系がラスト曲になってたのも以外だったけど、リッチーの演奏と歌はほぼ完璧!

歌声の余韻に浸りながら気分よく会場を後に出来て大満足でした。

ワールドツアー全体をとおして喉の調子を維持できるかちょっと心配です。

長く続いて欲しいな~このバンド。

気のせいかもしれないけど、バンドメンバー間の空気にリッチー在籍時のMR.BIG最後の解散ライブ「FAREWALL Live」の時の雰囲気を感じたのが気になる。
単に初公演ということによる緊張感だとかそういう類のものだと信じたい。

リッチーの時のMR.BIGといえば、当時の解散ライブを観に行ったけど...東京まで足を運んだ挙句ものすごい消化不良で帰った記憶がある。
その時のメンバー間の空気もそうだけど、Eric MartinとRichie Kotzenのツインボーカルを思いっきり期待していって思いっきり肩透かしをくらったところが一番ガッカリだった。
というよりエリックの後ろでリッチーの声が入ると、エリックの方が声負けして埋もれてしまう感じで歌いにくそうだったのに驚いた。

ま、これはリッチーが書いた曲に限るわけで他の曲はそんなことないような気がするけど、実際のライブの時はツインボーカルパートだけでなく、バックコーラスとして歌ってたのもリッチーの書いた曲の時だけだったように記憶してる。

バックコーラスで声をだすことについてリッチーが遠慮したのか、エリックが拒否したのか知らないけど、とっても期待外れだったとともに、あの時にあの二人のツインボーカルはマッチしないことがハッキリして少しショックだった。

エリック・マーティンも大好きなシンガーの一人で素晴らしくうまい。
しょっちゅう聴いてるけど、MR.BIGに関してはPaul Gilbertがギターの時の方がやっぱりしっくりくる。

リッチーの時のMR.BIG解散ライブを観終えて感じたことは「あのライブでリッチーがメインシンガーを務めていたらもっと良かったのでは?」だった。

今回のThe Winery Dogsライブで、同じMR.BIGのメンバーだったビリーとリッチーによる「Shine」を聴きながら、あの時思ったことが実現されて嬉しかったのと、あの時感じたことが間違ってなかったと思いました。

いや~、、、また今回もダラダラとえらく長文になってしまったw
(誰にも読んでもらえないそうにない自己満日記でした)

2013年7月16日(火) 松下IMPホール セットリスト

Elevate
Criminal
We Are One
One More Time
Time Machine
Damaged
Six Feet Deeper
(Mike Portnoy Drum Solo)
The Other Side
(Billy Sheehan Bass Solo)
You Saved Me
Not Hopeless
Stand (Poison-Richie Kotzenのアコギ弾き語りSolo)
You Can't Save Me (Richie Kotzen)
Shine (MR.BIG)
I'm No Angel
The Dying Desire
- encore -
Fooled Around and Fell in Love (Elvin Bishop)
Regret

5月に衝撃のデビューを果たしたワイナリー・ドッグス。ジャパン・ツアーより、2013年7月17日、日本青年館にて行われた公演を完全収録。最強のパワー・トリオ、ワイナリー・ドッグスが本領を発揮する
ビリー・シーン(MR.BIG)、マイク・ポートノイ(元ドリーム・シアター)、リッチー・コッツェン(元ポイズン、MR.BIG)によるパワー・トリオ“ザ・ワイナリー・ドッグス”のデビュー・アルバム。出来の良い楽曲、気合いの入ったヴォーカル、最高峰の演奏、どれをとってもデビュー盤にしてスーパースター・クラスの内容。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事